ヨーロッパや北米では、花嫁の典型的な服装はフォーマルなドレスとベールです。ドレスの色やスタイルは宗教や文化によって様々ですが、現在は多くの花嫁が純潔の象徴とされている白いドレス、またはアイボリーやクリームなどのドレスを選びます。
北米の結婚式では現在、白いウェディングドレスは定番になっていますが、実は少なくとも19世紀の半ばまでは、一般的に花嫁は好きな色のドレスを着ていました。これは結婚式が終わった後も、もう一度そのドレスを着ることができるため経済的でした。現在のウェディングドレスは、結婚式のために特別に購入されているものがほとんどで、結婚式以降も着用することができるスタイルではありません。
ウェディングドレスの歴史と文化
ウェディングドレスは元々、古代ヨーロッパで上流階級の女性が結婚のために身につけた衣装から由来しています。当時のドレスは女性側の権力を示す目的もあり、かなり豪華なドレスを着ていました。しかしウェディングドレスは黒や暗い色のウェディングドレスが好まれていました。
白いドレスが登場したのは、1406年にフィリッパ・オブ・イングランドというスウェーデンの女王が、白いドレスを結婚式で着たのが最初の女王とされています。その後、1559年にスコットランドのメアリー女王が、当時は喪の色とされていたにもかかわらず、彼女の一番好きだった白色のドレスを着ています。
しかし結婚式において白いドレスはまだ一般的ではなく、その後、19世紀にビクトリア女王が白いウェディングドレスを着たことによって、白いウェディングドレスが有名になりました。
この「白いウェディングドレス」の伝統は比較的近年始まったものにもかかわらず、白を着ることは古くからの”処女”の象徴と相まって爆発的に広まり、さらにセカンドウェディングでは着用してはいけないなどといった誤ったエチケットまでうまれました。しかしその起源はもっと経済的概念によるもので、繊細で洗濯するのさえ難しい白い豪華なドレスが贅沢品とされていた時代に、家の財力を誇示するためのものでした。
日本を含め東洋の文化では、もともとは白は喪服を連想させる葬式や死を象徴する色であり、アジアでは最も一般的に結婚式で着用される民族衣装には、吉兆を象徴する赤が使われています。